男性保育士の現状

徐々に増えつつある男性保育士

保育士という資格名称は、平成11年(1999年)に行われた児童福祉法の改正により登場したものです。
それまでは「保母さん」という女性をさす名称で呼ばれていたこともあり、実際に仕事に従事する人のほとんど全てが女性というふうになっていました。
もっとも児童福祉法改正以前であっても、男性が保育士として資格を習得して勤務をすることは特に禁止はされていなかったのですが、やはり名称として女性を示すものとなっていることは大きな壁になっていたようです。
ちなみにそうした仕事をする男性のことを保母さんに対して「保父さん」と呼んでいました。

名称が変更されたことと、社会的に男性保育士の必要性が多く言われるようになってきたこともあり、現在では少しずつながら男性で保育士資格を取得する人は増えてきています。

ただ全体的な割合ということでみると2011年の時点で約5%程度とかなり少なくはあります。
しかしながら男性の育児休業取得率が2012年で未だに1.89%にとどまっていることを考えれば、男性の育児への進出ということでみればよい数字というふうにとることもできるでしょう。

保育士に男性は必要?

そこでちょっと気になるのが、果たして保育園という仕事の場所においてそもそも男性は適しているのか?という問題です。
同じくそれまで女性だけの仕事と思われてきた職種として「看護師」というものがありますが、こちらは保育士よりも先に男性は多く従事してきました。

男性看護師の場合、精神科や泌尿器科といった男性スタッフの存在が必要になる現場が少ないながらもありましたので、そうしたところで専門的に勤務をする人材が重宝されてきたという流れがあります。

保育士の仕事においてはそうした部門や診療科といった区別はとくにありませんから、どういったところに男性の手が必要になるのかということはなかなか見えにくくなっています。

しかし男性保育士は保育の現場でも発生する力仕事をするときに必要になってきますし、何よりも子供たちにとって男性がいるということが1つの精神的安心感につながるということがあります。
一般的な傾向ですが保育士を目指す男性というのは子供が好きで関わりたいという意識のある人ですから、そうした優しい大人の男性像というのは子供たちの心にとってとてもよい影響を与えます。

抽象的な言い方になりますが、そこにいて子供と過ごしてくれるということが男性保育士さんの最大の存在理由になるのです。

問題は職場環境と男性が少ない職場であるということ

男性保育士の需要が高まってきているとはいえ、実際に勤めにくい理由となってしまうのがやはり職場環境です。
保育士という仕事の平均給与額は決して高いものではありませんから、結婚をして自分の家族を持ちたいと考えている男性にとっては、その年収ではちょっと厳しいと思えることがあります。

また、全体の5%以下という割合の男性保育士さんですから、1つの保育所内で自分だけが男性というようなこともあります。
地味なことではありますが、女性ばかりの中で自分一人というのは仕事をしていく上でちょっとした孤独感があります。