保育士が担う職務について
それらの施設で子供を見ていく仕事をするためには保育士という資格が必須となりますが、そこでの託児業務において重要になるのが「きほんてきな生活習慣を身につけさせる」ということです。
保育所や保育園といった施設は教育施設である幼稚園と異なり、本来的には子供を預かり安全に時間を過ごすことができるようにするという施設なのですが、近年の子供を取り巻く状況の変化により求められる役割も大きく変化することになりました。
中でも最も重要とされているのが社会集団における生活習慣で、大勢の同年代の子供たちと一緒に生活をしながら指導をしていくことにより自分自身や家族だけでない社会集団の中の自分という位置づけで身の回りのことを覚えていくことになります。
幼児教育における生活習慣は大きく5種類がありそれぞれ「食事」「睡眠」「排泄」「清潔」「衣類の着脱」というように分類されています。
これらは身に付けることにより家庭内でできることの幅を大きく広げるものになるので、預ける保護者の方からも大きな期待をされていることでもあります。
身の回りの生活習慣で行うべきこと
食事は乳幼児期には母乳やミルク、流動食といった特殊なものを食べさせてもらいますが、保育所や保育園に入る頃の年齢になるとほとんどのものを食べることができるようになります。
そこで保育士が教えていくことになるのがそうした食べ物を食べる食事の時間におけるマナーや楽しみについてです。
ここ数年で急激に普及している「食育」についても現在多くの保育所で教育プログラムとして組み込んでいることが多く、今まさに自分が食べようとしているものはどういうものなのかということを覚えながら食べることができます。
施設によっては実際に提携をしている農園に子供たちを連れて行ったりして食材ができる現場を見せながら食事のための教育をしていくということもあります。
他の睡眠や排泄といったものも非常に重要で、保育所・保育園に在籍している間にきちんと身につけることができないとその後の小学校への進学時に非常に苦労をすることになってしまいます。
特に排泄については和式・洋式だけでなく各家庭におけるトイレの形状が公共施設と異なることも多いのでそうしたところも注意しながら教える必要があります。
母親のような「やってあげる」ではなく子供の自主性を尊重
各家庭でもそうした教育はできますが、その場合どうしても周囲に同年代の子供がいないということや親の過保護ということもありついつい多くのことをやってあげたりします。
しかし保育士は母親の代わりではなくあくまでもプロとしての幼児教育の担当者ですので、いかにして本人のやる気を引き出し自分で多くのことができるよう教えていかなければいけません。
こうした子供のための教育は時として育児に悩む保護者の方のための相談を受けることにもなっていきます。