保育所保育指針の特長
「保育所保育指針」とは、公的施設として運営されている保育所に対し、基本的な考え方や保育の実施に関わる事項をまとめたものです。
この方針は厚生労働省より交付されるものですが、2017年にかなり大きな改正がありました。
2017年は「幼稚園教育要領」「保育所保育指針」「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」の3つが全て改正されるというかなり大きな動きがあった年です。
特に「保育所保育指針」については約10年間改正がなかったこともあり、今回の改正についてどういったところに変更があったかの勉強会などが頻繁に開催されていました。
この「保育所保育指針」が初めて定められたのは1965年(昭和40年)のことで、保育所で行う保育の方針の基本原則をまとめたものです。
これにより全国の公立保育所で提供される保育水準を一定にするとともに、これからの保育の目標となることを全国単位で取り組むことができるとしてします。
保育所で働く保育士にとっては必ず目を通しておくべきこととして、保育士の国家試験にも出題されることとなっています。
平成30年の後期保育士試験からさっそく改正後の「保育所保育指針」が出題されることになりましたので、おそらく今保育士試験を受けようとしている人はかなり熱心に勉強をするポイントではないでしょうか。
改定のポイント
2017年の改正で最も大きく変更になった点としてはまず、全体の分量が約1.5倍近くにボリュームアップをしました。
2018年4月から新しい保育所保育指針として実施されることとして「5領域」が挙げられます。
これは「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」の5つで、これらの要素からそれぞれ保育的なアプローチをしていくということを目標にしています。
また「幼稚園教育要領」および「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」に共通して、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」として10項目を挙げており、施設の種類にかかわらず子供の発達をそれぞれの現場で努力していくという形にしているのも大きな特徴です。
押さえておきたいこと
「保育所保育指針」として5要領が定められたことにより、その項目ごとに年間を通して行うべき保育方法が決まることになります。
保育をするときには5要領を意識して行うということが必要になるので、一つ一つの遊びや創作に工夫をしていくことが求められるでしょう。
わかりやすい例としては夏場の「水遊び」です。
具体的には体を動かす(健康)とともに、友達とルールを守って遊ぶ(人間関係)ことや、水の特性を知ること(環境)、水を通じた言葉を使うこと(言葉)、水遊びを通じてごっこあそびなどで想像力を働かせること(表現)といった例があります。
また、小学校との接続を意識した保育というのも改正のポイントとなっています。